ブログ 2014/4/16

教義と儀礼を融合、内在化した法話を語るために「曹洞禅の現代法話学」

[既刊紹介] 投稿日時:2014/04/16(水) 08:18

曹洞宗の「宗意に基づく法話」を始めて理論付けた
中野教化学の理論と実践の集大成


「教化研修所などで、実話を語ることの重要性を主にして説教法を指導してきたが、それだけでは人間の内心に切り込む鋭い説法がなかなか研修生の身に付かないという反省があった。そんな時に、ホスピス問題や悲嘆の問題などについての法話を実践してみて、人生の問題(苦諦と集諦)をしっかり分析したら、その問題の中に自ずと、宗教的な解決・安心が導き出されているということにようやく気付いたのであった。
 今回の企画はそうした視点から、今まで書きためてきた法話を整理して、理論めいたものから法話の実例までを参考に供しようということになったのである。どうぞ何らかのお役に立つ所があれば幸いである」(「曹洞禅の現代法話学」まえがきより。中野東禅師)

■目次

第一部 宗意に基づく法話の構成法

第一章 「正法眼蔵現成公案」による説法構成法
第二章 神話学的手法による仏教儀礼の法話
第一節 盂蘭盆・目連救母説話の現代的法話の視点
第二節 施食会・阿難陀・餓鬼予言の現代的法話の視点
第三節 甘露門・一切の鬼神よ集まれ
第三節 甘露門・五如來の教化法の視点

第三章 宗意安心としての授戒・説教
第一節 「授戒説教」の工夫
第二節 授戒会
第三節 懺悔文
第四節 観音懺法
第五節 布薩会

第四章 葬儀仏事法話の教化論
第一節 仏事法話における曹洞宗義
第二節 仏教葬儀と日本人の霊魂観
第三節 死別悲嘆を縁とした法話
第四節 通夜のお悔み法話
第五節 中陰法話

第五章「安心」法話
第一節 降誕会
第二節 観音
第三節 地蔵歎偈
第四節 搭袈裟偈
第五節 空になりきって空を語る
第七節 わが身の仏
第八節 病い自体が仏のいのち

第二部 法話の教化論

第一章 説教の歴史
第一節 法話の成立と展開
第二節 曹洞宗の法話史
第三節 曹洞宗説教の作法
第四節 「修証義」の成立とその教化法

第二章 説教の実際
第一節 仏教布教の効果
第二節 説教の実践的考察
第三節 説教教化法としての教理の構造
第四節 聞法による安心実現のしくみ
第五節 聞法による菩提心の発現――機根と信仰形成を考える
第六節 説教における説得

第三章 話術と心得
第一節 標語の印象づけ方
第二節 初心者のための法話入門
第三節 発声発音練習

第三部 現代問題に応える仏教的講話集

第一章 死の恐怖とその解消の知恵
第二章 死の教育のための法話
第三章 仏教から見た葬儀とグリーフの問題点
第四章 『千の風になって』と死別悲嘆のいやし方
第五章 悲嘆の中で仏に出会う法話
第六章 癌患者への病名告知に悩む家族への法話
第七章 癌患者への法話
第八章 ターミナル患者への法話
第九章 尊厳死・自然死・臓器提供・献体希望者への法話
第十章 見舞い客への法話
第十一章老いを生きる法話
第十二章脳死・臓器移植の法話
第十三章生命倫理の法話
第十四章人工妊娠中絶についての法話
第十五章少欲の知恵――環境問題への仏教的視点
第十六章坐禅について
第十七章心にのこる四人四話
第十八章こころを育てる法話



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編著:中野東禅
B5判 並製 540頁