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ショル版 八千頌般若経図像集「西蔵図像聚成」 [既刊紹介]

投稿日時:2014/04/14(月) 19:34

大乗仏教の根本聖典である「般若経」のひとつ「八千頌般若経」は、大乗仏教初期に編纂され、後の仏教発展の基礎となったと考えられている。それは全体が、サンスクリット詩のシュローカ調に換算して8千頌ほどの分量があるのでそのように呼ばれているという。チベット語訳は吐蕃時代に翻訳されて以来、数度にわたる改訂で今日に見られる姿となった。インドや日本においても複数の写本が存在するが、チベットでも数多くの写本が現存している。
本書「西蔵図像聚成」で底本としたのは装飾写経の伝統を係争し、すべてのフォリオの左右端に図象駕添えられている「ショル版」。
「ショル版」とは、ダライラマ政権時代にあった、ダライラマ政庁直営の印刷所で出版されたものをいう。

この「西蔵図像聚成」は、「ショル版 八千頌般若経」の原本より挿画とタイトルのみを扱っているが、本書の監修者でもある宮坂宥明師がショル版の図像を白地の布片に一枚ずつ丁寧に転写したものを原版として使用、図象集として復刻している。

この図象集には、現在のダライラマ世や、その家庭教師となったリン・リンポチェ、ティチャン・リンポチェの両名の図像も収録され、仏教伝来以来1300年にわたり発展したチベット仏教が、政治的な事情により壊滅的な打撃を受ける直前までの状況を反映するものといえる。


購入はこちら ショル版 八千頌般若経図象集「西蔵図像聚成」
監修/頼富本宏 宮坂宥明
寄稿/宮坂宥勝 前田常作 田中公明
B5判 656頁

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